
✔うちの病院ってもしかしてブラック病院では?…
✔転職先がブラック病院でないか不安…
✔ブラック病院を判断する基準ってあるんですか?
そんな悩み・疑問を抱える方に向けてこの記事は書いています。この記事では以下の事がわかります。
- ブラック病院の見極めるポイント6選
- ブラック病院から早急に転職すべき理由
- 面接時にブラック病院見極めるポイント4選
- ブラック病院を回避する為の手段2選
医療業界は一般企業に比べ、過酷な勤務をしている法人が多く、医療従事者不足がその過酷な勤務に拍車をかけています。
そうした中で本来法外と言える勤務が平然と行われている『ブラック病院』は存在します。
この記事でご紹介するブラック病院の特徴を正しく理解し、自身の病院がブラックか御判断ください。
また記事の後半では転職する際に求人先の病院がブラックか判断するポイントもご紹介しますので、転職活動にお役立てください。
筆者について


1 | 看護師の為のブラック病院の見極めるポイント6選


ブラック病院か判断するポイントは6つあります。具体的な内容は以下の通りです。
ブラック病院判定項目 | 判定内容 | 一つでも当てはまったら〇 |
残業時間 |
|
〇・× |
休日日数 |
|
〇・× |
休憩時間 |
|
〇・× |
パワハラ |
|
〇・× |
プリセプター |
|
〇・× |
外部研修 |
|
〇・× |
こちらの表で当てはまる項目が3つ以上ある場合、ブラック病院と言っていいでしょう。
もっと心も身体も楽にできる就業先があるはずです。それでは上記6つの項目をより深堀りしご説明致します。
1-1 | 残業時間


- タイムカードを押してから残業がある
- 申請しないと残業代を貰えない
- 月の残業時間が45時間以上
ブラック病院の特徴で最もわかりやすいのが残業時間です。残業時間に関しては、厚生労働省から厳しく定められております。
まず、前残業と定時後の合計残業時間が【月45時間以上(1日平均2時間15分以上)】を超える方は注意が必要です。
この残業時間は病院が「特別条項付き労使協定」というものを国に申請していない限り禁止されているほど、過酷な残業時間となっています。
またそれ以外にも『タイムカードを押してからの残業がある』や『残業代は申請制で看護師長に認められた時のみ支給』など労働基準法に反した勤務をしている場合ブラック病院の可能性があります。
よく「新卒のうちは実力不足で時間がかかってしまうから、定時超えても残業にならないよ!」なんていうセリフも耳にしますが、新卒でも残業は残業です。
1-2 | 休日日数


- 公休が休めていない
- 勉強会等で休みがつぶれる
- 有給休暇が自分の意思でとれない
自分の病院の年間休日はグーグルなどで「〇〇病院 年間休日」と調べるとわかるかと思いますが あなたの病院はその年間休日分しっかりと休めてしますか?
特に大学病院や公立病院で勤務している方ですと、公休日に勉強会や研修が入って実質休めていない事も多いと思います。
この場合、振替休日や出勤した分の休日出勤の手当が支給されていれば、違法ではありませんが、そうでないのであればアウトです。
特に休日出勤は通常の勤務より上増しで賃金を払わなければならないのですが、支給していない病院はブラック病院の可能性が高いです。
また有給休暇も基本的には取得する事が労働者の権利となっており、業務上大きな支障が出るケースを除き、病院側は有給の希望を拒否する事はできません。
▼年次有給休暇の補足
使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
引用元: 労働基準法
1-3 | 休憩時間


- 昼食を取ったらすぐ戻る
- 休憩中に仕事で呼ばれる
- 休憩時間に勤務しても時間外手当はない
あなたの病院では休憩はしっかりと取れていますか?
労働基準法では、「1日8時間以上の勤務をする場合、60分の休憩は必須」となっております。この休憩はいかなる理由であれ、侵害されてはいけない時間です。
「座る暇もなく、仕事に戻る。」なんて病院の話をたまに聞きますが、これも本来アウトです。
1-4 | パワハラ


- 人間否定的な発言をされる
- 看護業務をさせてくれない
- プライベートに過剰に踏み込む
社会的な問題にもなっているパワーハラスメント。パワハラにもいくつか定義があり、その中でも看護師業界によく起こる辞令をお伝えしますね。
精神的侵害
侮辱、名誉棄損、暴言などの精神的侵害はパワハラの典型です。よくドクターに暴言を吐かれたと聞きますが、これは本来ダメです。
また「早く辞めれば?」「他の子に比べてほんとに仕事できない」「あなたが対応してる患者さんはかわいそう」などの侮辱、人格否定はアウトです。
過小な要求
仕事の内容を他の方に比較し大きく制限する事もパワハラにあたります。
例でいうと看護師業務を対応させずに資格がなくとも対応できる雑務に従事させる事などが当たります。
個の侵害
プライベートに過剰に踏み込んでくる行為もその人に精神的苦痛を与えてしまうのであれば、パワハラに当たります。
特に女性に対して、個の侵害を行うとセクハラともなる可能性があります。
看護職は【精神的侵害】と【個の侵害】で悩んでいる方が非常に多いです。特に急性期の環境だと、切迫した環境の為、より職場がピリピリしパワハラが起きやすいようです。
1-5 | プリセプター


- 一人の先輩社員が複数の新人を教えている
- 名ばかりのプリセプターで何も教えてくれない
プリセプターは新人看護師ごとに”マンツーマン”で指導に関わる先輩看護師を設ける事です。この制度を教育制度に設けている病院は多いでしょう。
ただ果たして本当に”マンツーマン”で教えてくれてますか?
タイミングによって急患が入り、一時的にマンツーマンになれないならわかりますが、プレセプター制度を設けているにも関わらず、先輩職員1人に対し複数人の新人をつけるなんて事もあります。
これでは本来の教育ができず、成長の場を設けられているとは言えません。新人看護師にとっても先輩看護師にとっても良くない状況です。
1人に先輩が7人の新人に対してプリセプターを行っているというケースも耳にしますが、この場合しっかりとした教育制度を設けている病院に転職する事をお勧めします。
1-6 | 外部研修


- 休日に強制参加の外部研修がある
皆さんも外部研修に行った事があるかと思いますが、勤務時間内に外部研修に行かせてもらえているのであれば問題ないです。
しかしながら、休みの日に半強制で外部研修に行かせられ、なおかつその研修時間に対して時間外労働の給与が支給されていないとアウトです。
この場合、労働基準法に反している可能性が高いです。
2 | ブラック病院から転職するべき理由4選


1章で自分の病院がブラック病院だと感じたら、転職を検討しましょう。過酷な労働環境で勤務を続けている下記4つのデメリットが生じます。
- 精神疾患にかかってしまう
- 成長スピードが遅くなる
- 疲労から医療ミスのリスクがあがる
- プライベートの充実ができない
2-1 | 精神疾患にかかってしまう


過酷な労働環境や悪質な人間関係により精神疾患にかかってしまう方は多いです。精神疾患にかかってしまい勤務継続不可能となった場合、休職せざる負えません。
この場合、あなたの大事な看護人生の貴重な数ヶ月~数年を棒に振ってしまう事になります。
また休職期間が長いと新たに就業先を見つけるにも、ブランク期間などの理由から採用を見送られてしまう可能性もあります。そうなる前に転職する事をオススメします。
2-2 | 成長スピードが遅くなる


ブラック病院で正しい教育を受けずに勤務していると自己流で看護をするしかない状況に陥り、成長スピードが遅くなります。
教育のなさを自身の勉強でカバーできる可能性もありますが、残業時間の多いブラック病院では勉強時間の捻出も容易ではありません。
自身の看護師としての成長の為にも我慢せずに転職に踏み切ってしまった方が良いでしょう。
2-3 | 医療事故のリスクが上がる


医療事故の一番の原因は『人手不足による忙しさ』です。下記医療事故の原因をまとめたデータになります。
ブラック病院は慢性的に人手不足の為、一人当たりの業務量が増え、疲労から集中力が散漫となり医療事故へと繋がります。
医療事故のリスクを減らし自身の身を守る為にも、転職を検討しましょう。
2-4 | プライベートの充実ができない


残業時間も多く、休日も少なければ当然プライベートの充実も図れません。
仕事で疲れ切り、勤務日は帰って寝るだけ、休みの日は仕事に向け身体を休めるだけ、という生活は果たして幸せでしょうか?
特に家庭を持たれている方やこれから家庭を持とうとしている方は尚更です。プライベートが充実する事で仕事に余裕が生まれ、良い看護が提供できる事もあるかと思います。
仕事もプライベートも両方ともあなたの人生の大切な一部です。どちらかに偏りが出ないようにバランスを取りましょう。
3 | 求人を見る時にブラック病院か見極めるポイント4選


ここまで自分のいる病院がブラックか判断する指標をご紹介しましたが、大切なのはブラック病院に入らない事です。
その為、こちらの章では求人がブラック病院かを見極めるポイントをご紹介します。
3-1 | 常に看護師求人が出ている


常に看護師求人が出ている病院は注意が必要です。特に病床数が少ないのにも関わらず大量募集をしている病院は危険度が増します。
いつ求人を見ても募集をしている病院は応募するかは慎重に判断しましょう。
3-2 | あらゆる雇用形態の募集が出ている


看護師の雇用形態は常勤、非常勤、派遣など多岐にわたりますが、あらゆる雇用形態が募集を出している病院はブラック病院の可能性が高いです。
特に非常勤の時短や派遣などの雇用形態は『その雇用形態を採用するほど人手不足』と判断できます。
気になる病院があった場合はまずどのような雇用形態の募集がされているか調べる所から始めましょう。
3-3 | 固定残業手当が月給に含まれている


月給の内訳に『固定残業手当』が含まれているケースがあります。
▼固定残業手当とは
残業の有無にかかわらず、固定給に含めて支払われる毎月定額の賃金を固定残業手当といいます。
つまり残業をしてもしなくても〇時間分の残業代をあらかじめ固定給として支給されます。
その〇時間を超えた残業を仮にした場合はその超えた分の残業代を支給しなければなりませんが、この制度を設けている病院は固定残業手当分を超えた残業代が1章の『看護師がブラック病院か判断する6つのポイント』でお伝えした『申請制で看護師長に認められた時のみ支給』のケースが多く、ブラック病院の恐れが出てきます。
その為、月給の内訳はどうなっているのか求人票にはしっかりと目を通しましょう。
3-4 | ホームページの採用情報が薄い


応募前に病院のホームページの採用情報を確認しましょう。そして採用情報があまりに薄い場合は注意が必要です。
採用情報を明記しない病院は入職後に条件面の相違が出てくる事が多いです。特にコロナ禍においては賞与の記載が曖昧な病院は支給金額が減っている可能性があります。
採用情報はしっかりと理解した上で応募するように心がけましょう。
3-5 | 即戦力のみの募集である


即戦力のみの募集も要注意です。
即戦力を募集する病院の思惑としては『教えなくてもすぐに稼働人員として数えられる人材が欲しい』です。
考えられるケースとしては
①教えている暇がない状況
②中堅・ベテラン看護師不足
が予想されます。
そのような職場の場合、オリエンテーションもほとんどなく入職直後から稼働人員に含まれてしまいます。
応募する際は、『募集背景』や『配属予定部署の人員構成』などを調べた上で応募するようにしましょう。
4 | 面接・見学時にブラック病院見極めるポイント4選


次に面接に進んだ時、その病院がブラック病院か見極めるポイントを解説致します。
- 病棟見学時にスタッフの挨拶がない
- 物品が乱雑に置かれている
- 面接の内容が薄い
- 圧迫面接
4-1 | 病棟見学時にスタッフの挨拶がない


病棟見学時にスタッフからの挨拶がない病院は要注意です。
- 病棟内の人間関係が悪い
- 挨拶している余裕がない程忙しい
- 基本的な教育が行き届いていない
どれもブラック病院の要素に繋がる恐れのある内容です。病棟見学時はスタッフの挨拶するか否かはチェックしましょう。
4-2 | 物品が乱雑に置かれている


物品が廊下に乱雑に置かれていたり、ナースステーションが散らかっていないかは見学時チェックしましょう。忙しく余裕がない職場だと物品が散らかっている事がよくあります。
衛生管理上の問題もある為、ある種その病院の衛生管理のレベルがどの程度か推し量る指標となります。上記は注意深く観察しましょう。
4-3 | 面接の内容が薄い


面接があっさり終わってしまい、「いつから入職できますか?」と話が進んでしまう病院は要注意です。
人手不足で猫の手でも借りたい病院程、人材を選んでいる余裕はなく面接があっさり終わる傾向があります。
もしあなたが内定をもらった時に「あんなあっさりした面接で何を評価されたのかわからない」と感じるようであれば、その病院に入職するかは慎重に考えましょう。
4-4 | 圧迫面接


圧迫面接の病院もブラック病院の恐れがあります。
- ストレス耐性を見る
- この病院に入る覚悟があるかを見る
- 管理職が高圧的な人
圧迫面接は一般的に厳しい言葉を投げかけられた時のストレス耐性やそれでもなおこの病院に入りたいかの入職への覚悟を確認する為行います。
その為、圧迫面接を行う病院は過度なストレスが発生する過酷な現場が予想されます。
また管理職がそもそも高圧的な人というパターンもある為、その場合は入職後のパワハラの恐れもある為、注意しましょう。
5 | ブラック病院を回避する為の手段2選


ブラック病院を回避する為には、求人票だけでは見えてこない内部情報の収集が必要です。
情報収集の手段としては、『口コミをチェックする』『大手の看護師専門転職サイトを利用する』の2つあげられます。
5-1 | 口コミをチェックする


病院の口コミを『従業員目線』『患者目線』それぞれチェックしましょう。
まず従業員目線の口コミを確認するには、『ナスコミ』がオススメです。
ナスコミは実際にその病院で勤務していた事のある方が病院の『人間関係』や『残業時間』などの実態を書き込むサイトです。
病院で働く方の生の声が見れるので、参考になるかと思います。
また患者目線の口コミを確認するのは、『Google map』がオススメです。
グーグルマップで病院名を検索すると立地と同時に口コミも確認が取れます。
患者目線の口コミを確認する事で、ドクターや看護師の患者への対応の質が分かる為、地域住民に評価される良質な医療を提供できているのかどうかが見えてくるでしょう。
5-2 | 大手の看護師専門転職サイトを利用する


病院の内部情報を収集するには看護師専門の転職サイトの利用が有効です。
特に大手の転職サイトは、各病院に豊富な紹介実績がある事から、入職者から聞いた病院の実態や満足度、離職率に関する情報を蓄えています。
その情報を仕入れて転職を行う事により、転職失敗の確率を大幅に軽減できます。
ただ注意点としては、小規模の転職サイトですと情報量に乏しい為、充実した内部情報を得るのは難しいケースもあります。
どこの転職サイトを利用したらいいかわからないという方は業界最大手の下記3つの転職サイトから選ぶと良いでしょう。
転職サイト | 全体評価 | 公開求人数 |
1位 |
(4.8/5.0) |
56,939件 |
|
||
2位![]() ![]() >>評判を見る >>公式サイト |
(4.6/5.0) |
122,758件 |
|
||
3位![]() ![]() >>評判を見る >>公式サイト |
(4.4/5.0) |
非公開 |
|
6 | 看護師のブラック病院の見極め方まとめ


ここまでブラック病院の見極め方についてご説明してきましたが、いかがでしたでしょうか?
この記事を読んで『自分の病院はブラック病院かも…』と感じた方は今後のキャリアについて検討いただいた方が良いでしょう。
また転職活動中の方は、面接を受ける先がブラック病院か否かを判断する為に口コミサイトの確認や転職サイトの利用をオススメします。
その際使うべき転職サイトは以下の3つです。
この3つの中から選べば、転職失敗の確率を大幅に軽減できるでしょう。
皆さんが後悔のない看護人生を送って頂けるよう心からお祈りしております。
コメント